気になるワードで検索
キーワード
ジャンル
曜日
開始時間

トップ★暮らしの創造 > 楔形文字で『ギルガメシュ叙事詩』を読んでみよう


楔形文字で『ギルガメシュ叙事詩』を読んでみよう

開催日 4/19から
第3土曜 13:30〜15:00
講師 月本 昭男

講座内容

古代オリエント博物館連携講座



古代メソポタミア文学の最高傑作といわれる『ギルガメシュ叙事詩』を原文のアッカド語と講師による注付きの翻訳で読んでいきます。

『ギルガメシュ叙事詩』は、紀元前1800年ころ、シュメルの都市国家の王ギルガメシュをめぐるそれまでの諸伝説を取捨選択して、一続きの物語として編まれた作品です。アッカド語楔形文字を用いて粘土書板に刻まれました。紀元前一千年紀のアッシリア版では、12の書板から構成され、全3600行ほどの長さでした。もっとも新しい写本はヘレニズム時代(紀元前4〜3世紀)の粘土書板ですから、1500年以上もの間、読み継がれ、書き写されたことになります。古代オリエントのベストセラーでであり、旧約聖書をはじめ、後代の文学への影響も見逃せません。

今から3800年ほど前に成立した物語ですが、私たち人間が抱える基本的な問題は今も昔も変わりません。むしろ、古代の文学には現代人が抱く問題が素朴に書き表されているといえましょう。今学期は、2024年度の古代オリエント博物館自由学校に引き続き、第9書板から第10書板までを読み進めます。そこには、最愛の友エンキドゥを亡くし、死の恐怖にとりつかれたギルガメシュが「生命の秘密」を求めて、太古の洪水を生き延び、神々に列せられた人物のもとに旅する模様が描かれています。

本講座は、講師がアッカド語を読んで翻訳し、文法事項などを説明するとともに、関連する図像資料などを紹介しながら、進めてゆきます。受講者はアッカド語の初級文法を習得していることが望ましいですが、初心者でも楽しんでいただけると思います。なお、受講者には、事前に、アッカド語原典と講師による注付きの翻訳をコピーでお届けします。

参考書など。月本昭男『ギルガメシュ叙事詩』(岩波書店、1996年)は絶版ですし、一部はすでに時代遅れです。1965年の邦訳に基づく矢島文夫『ギルガメシュ叙事詩』(ちくま学芸文庫)はお勧めできません。英訳であれば、A. George, The Epic of Gilgamesh, Penguin Classics, 2020がお勧めです。
アッカド語文法書には、R. Caplice, Introduction to Akkadian, Biblical Institute Press、1988;青島忠一郎『アッカド語』(リトン、2025年)などがあります。

※こちらは古代オリエント博物館連携講座です。
古代オリエント博物館友の会会員の方は特別料金でご受講いただけます。
友の会会員の方は、まずお電話でご予約ください。
電話番号 03-5949-5488

講座概要
曜日・時間帯
第3土曜 13:30〜15:00
開催日
4/19から
回数
5回
講師
月本 昭男
備考
体験・見学
体験はございません。
お問い合わせ
03-5949-5488
お申し込み
通常5回
15,400円(税込)
友の会5回
12,500円(税込)

★講座の体験・見学をご希望の方
体験・見学ご希望の方は下記のボタンからお申し込みください。またはお電話か窓口までお問い合わせください。

体験・見学
  • 「体験」料金の表示がない場合は、講座概要にあるカリキュラムのページでご確認をお願いいたします。
  • 「★」印が表示されている場合の「料金合計」、「(内消費税)」についてはお電話か窓口までお問い合わせください。
  • 「受講申込」ボタンがない場合は、お電話か窓口までお問い合わせください。
  • 7月期、1月期講座のお申し込み時は、6カ月一括支払コースは選択できません。
講師 月本 昭男

古代オリエント博物館 前館長

プロフィール


月本昭男(つきもと・あきお)
1948年、長野県生まれ。東京大学文学部卒業。同大大学院中退。ドイツ・テュービンゲン大学文化学部修了(Dr. Phil.)。立教大学キリスト教学科教授、上智大学特任教授、古代オリエント博物館館長などを歴任。立教大学名誉教授・上智大学名誉教授。経堂聖書会所属。専門は旧約聖書学、古代オリエント学。学会関係では、日本オリエント学会会長、日本旧約学会会長、日本宗教学会理事などをつとめた。
著書に、『詩篇の思想と信仰』(シリーズ全6巻、新教出版社)、『古代メソポタミアの神話と儀礼』(岩波書店)、『この世界の成り立ちについて』(ぷねうま舎)、『見えない神を信ずる』(日本キリスト教団出版局)、『旧約聖書に見るユーモアとアイロニー』(教文館)、『物語としての旧約聖書』(NHKブックス)ほか。
原典翻訳に『創世記』『エゼキエル書』(岩波書店)、『死海文書(I)』(ぷねうま舎)、『エヌマ・エリシュ』(ぷねうま舎)ほか。