写真制作を考える特別講座
「大辻清司実験室」をめぐって 第3回
昨年、生誕100年を迎えた写真家大辻清司氏が1975年1月号から12月号まで月刊「アサヒカメラ」に連載した写真と文章「大辻清司実験室」が復刻され、書籍となりました。刊行を機にゆかりのある写真家が写真制作について語り合います。
■日時:12月20日(金) 19:00〜21:00
■講師:(50音順)
大日方欣一(おびなた・きんいち)
畠山直哉(はたけやま・なおや)
■参加費(消費税込み):
1回券 1回 コミカレ会員・一般 3,740円
『大辻清司実験室』 大辻 清司著 発行:リブラ出版発売:東方出版
<https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784862494443>
大辻清司 (おおつじ・きよじ)
写真家。1923年東京生まれ。1940年代末にシュルレアリスムからの影響を色濃く窺わせる写真作品《いたましき物体》を発表し創作活動を開始。1950年代にはインターメディアの前衛芸術グループ「実験工房」に参加。さまざまな芸術ジャンルのアーティストと交流し、20世紀末まで約半世紀にわたり制作と思索の営みを続けた。同時代芸術の貴重かつ膨大なドキュメントを撮影したことでも知られる。長年携わった写真教育の場でも重要な業績を残し、高梨豊、潮田登久子、牛腸茂雄、畠山直哉をはじめ多くの優れた才能を見出し、世代を超えて感化を及ぼしあった。また、写真というメディアの特性と新しい表現への可能性を考察した優れたエッセイを数多く執筆。著作に『写真ノート』(美術出版社 1989)、『大辻清司実験室』(1975年1月号〜12月号月刊「アサヒカメラ」連載 2023年書籍化 リブラ出版)。代表作に『陳列窓』(1956)、『無言歌』(1956)、『東京むかし』(1967)、『日が暮れる』(1975)ほか。2001年にご逝去。享年78。
講師
大日方欣一 (おびなた・きんいち)フォトアーキビスト・九州産業大学芸術学部教授
1991年、筑波大学大学院芸術学研究科単位取得満期退学。様々な美術大学で写真について教鞭をとり、現在は、九州産業大学芸術学部写真・映像メディア学科教授、同大学美術館館長。研究テーマは、写真文化史、20世紀の芸術運動と写真。
大辻清司氏のアーカイブ構築に携わり、『大辻清司武蔵野美術大学 美術館・図書館 所蔵作品目録』『生誕100年 大辻清司 眼差しのその先 フォトアーカイブの新たな視座』などを監修。2024年九州産業大学美術館にて「もしも… 大辻清司の写真と言葉」を開催。
畠山直哉 (はたけやま・なおや)写真家・ 東京芸術大学 大学院 映像研究科教授
1958年岩手県陸前高田市生まれ。筑波大学芸術専門学群にて大辻清司に師事。1984年に同大学院芸術研究科修士課程修了。以降東京を拠点に活動を行い、自然・都市・写真のかかわり合いに主眼をおいた、一連の作品を制作。国内外の数々の個展・グループ展に参加。
写真集:『LIME WORKS』『Underground』『畠山直哉』『A BIRD』『Ciel Tombé』『気仙川』『陸前高田 2011‐2014』『丹後 古代史の遠いこだま』『津波の木』など
著作:『話す写真: 見えないものに向かって』『出来事と写真』など
執筆:『大辻清司写真集成』<https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336076533/>
受賞:1997年第22回木村伊兵衛賞受賞 2001年ヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表の一人として出品、2012年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館に出品(金獅子賞) 2001年第42回毎日芸術賞 2003年 日本写真協会年度賞 2012年芸術選奨文部科学大臣賞 2015年 紫綬褒章